2026-06-30

企業が上半期の決算と内部監査に本格的に突入するシーズンが近づく中、時には予期せぬところで頭の痛い危機が水面上に現れることがある。まさに会計帳簿の不一致や怪しい法人カードの決済内訳を通じて発覚する従業員の業務上横領だ。横領の状況を認知した経営陣の立場からは、当該従業員を呼び出して事実関係を追及しようとするだろうが、明確な証拠を確保する前の軽率な対処は、かえって事件の解決をこじらせうる。横領事件は、初期の証拠収集と先制的な法的措置の順序が被害金回収の成否を分けるためだ。
会社の資金を私的に流用する行為は、単純な横領ではなく業務上横領罪が適用され、処罰の水準が非常に高い。刑法第356条により、業務上の任務に背いて横領を犯した者は10年以下の懲役または3千万ウォン以下の罰金に処される。特に累積した横領額が5億ウォンを超えれば、特定経済犯罪加重処罰等に関する法律(特経法)が適用され3年以上の懲役刑、50億ウォンを超えれば無期または5年以上の懲役刑という重い処罰を受けることになる。
従業員の横領の状況を捉えたとき、会社が最も先にすべきことは追及ではなく証拠の確保だ。確実な物証なく従業員を問い詰めた場合、犯行を否認して決済内訳を操作したりPCデータを削除したりするなど、証拠を隠滅する危険が大きい。したがって、会計帳簿、法人カードの領収書、社内メッセンジャーの記録、PCフォレンジックデータなど客観的な資料を先に徹底的に収集しなければならない。
明確な証拠が確保されたなら、本格的な刑事告訴とともに被害金回収のための保全処分(仮差押え)を直ちに実行しなければならない。横領犯たちは、抜き取った会社の金を株式やコイン、賭博などで使い果たしたり、家族など第三者の名義で隠匿したりする場合がほとんどだ。これを事前に遮断するため、告訴状の受理と同時に、当該従業員の給与と退職金はもちろん、個人の預金口座や不動産などに仮差押えを申請し資金源を縛っておくことが核心だ。強力な刑事処罰への圧迫とともに財産が凍結されると、被疑者は実刑を免れるために自ら合意を要請し被害額の弁済に乗り出す可能性が高くなるためだ。
逆に、従業員の立場から、慣行的な業務処理や会社の黙認の下で費用を執行したにもかかわらず、理不尽に横領犯罪者と追い込まれる事例も少なくない。営業のための接待費や従業員の福利厚生の名目で会社の金を使ったが、決算の過程で誰かが責任を負わなければならない犠牲になる場合だ。理不尽な容疑に防御するためには、客観的な根拠をもとに不法領得の意思がなかったことを積極的に抗弁しなければならない。私的に着服する意図がなく、会社の利益や正常な営業活動のために資金を執行したという点を客観的な資料を通じて法理的に疎明してこそ、無実の処罰を避けられる。例えば、事前に費用支出を承認された起案書や決裁書類、取引先の関係者と交わしたメールおよび業務メッセンジャーの内訳、決済の日時と一致するミーティング日誌や出張報告書、その場に同席していた従業員の事実確認書などが、不法領得の意思を否定する核心的な疎明資料として活用されうる。
企業の横領事件は、初期対応をどうするかによって、会社の被害金回収率と被疑者の刑量が極端に分かれることになる。横領の事実を認知した直後に、独自の調査だけで軽率に合意を勧めたり従業員の辞職願を受理してしまったりすると、後に民刑事上の責任を問い被害を回復するのに大きな困難を経験しうる。したがって、横領事件に巻き込まれたなら、感情的な対立に先立ち、企業刑事事件の経験が豊富な法律専門家の助力を受け、徹底した証拠収集から仮差押え、刑事告訴に至る体系的な手続きを踏んでいくことが賢明な方法だ。
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業務上横領、感情的な追及よりも客観的な証拠の確保で立ち向かうべき (リンクへ)全分野 一目で見る
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